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奉行小屋
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ぶぎょうごや
立ちふさがる
侍や
足軽を、
二振り三振り
鉄杖でたたき
伏せて、
加賀見忍剣は
夜叉のように、
奉行小屋の
奥へおどりこんでいった。
こういいながら、
狩屋建の
奉行小屋へはいると、かれはすぐに
平服に
着かえて、
炉ばたへ
床几を
運ばせた。
そう見えたのもつかの
間で、とつぜん、
奉行小屋の
柱が、すさまじい音をして折れたかと思うと、
血か、
肉か、
白木の
羽目板へまッ
赤なものが、
牡丹のように飛びちった。