天探女あまのじゃく)” の例文
天探女あまのじゃくでしょう。叔父さんはあれが道楽なのよ。だから何かさせようと思ったら、うらを云うと、こっちの思い通りになるのよ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
出雲に行わるるところは大分これとちがい爺と媼と姫を鎮守祠に詣らせんとて、駕籠かご買いに出た跡に天探女あまのじゃく来り、姫を欺き裏の畑へ連れ行きその衣服を剥ぎ姫を柿の木に縛り
天探女あまのじゃくだなあ。いわ。どこへでも連れてけ。4030
蹄のあとはいまだに岩の上に残っている。鶏の鳴く真似まねをしたものは天探女あまのじゃくである。この蹄のあとの岩に刻みつけられている間、天探女は自分のかたきである。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)