大枚だいまい)” の例文
その中村氏が以前まだ早稲田の学生で居た頃、ある新聞の懸賞小説に当選して、大枚だいまい三百円かの賞金を貰ふ事になつた。
源「殿様は荒い言葉もお掛なすった事もなかったが大枚だいまいの百両の金が紛失ふんじつしたので、金ずくだから御尤ごもっともの事だ、お隣の宮野邊の御次男様にお頼み申し、お詫言わびごとを願っていたゞけ」
その節の土産みやげとして大枚だいまい金一円もらったことがある。そのころ僕の小遣銭こづかいせんは一週間に二十銭とまっていたからして、一円紙幣しへいを手にしたことはおそらくそのとき初めてであったろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)