大失策おおしくじり)” の例文
この間の晩、がんりきの百はここでとんでもない人違いをして大失策おおしくじりをやらかしたが、今晩のこの場は全く人違いではありません。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あれは大失策おおしくじりさ、昼は鋸目にばかり気を取られたので、夜もう一度狸囃子をやった場所を探しに行ったんだが、暗くて何にも判らなかったんだ」
「これは大失策おおしくじりですな。私は精神さえ聢乎しっかり持っていれば神経衰弱なぞは寄りつくものでないと言って威張っていました」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「父さん、今日は大失策おおしくじりをやらかしたよ」と気の早い繁が誰よりも先ず途中での昼食のことを言出した。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あげられぬ奪られるの云い争いの末何楼なにや獅顔火鉢しかみひばちり出さんとして朋友ともだちの仙の野郎が大失策おおしくじりをした話、五十間で地廻りをなぐったことなど、縁に引かれ図に乗ってそれからそれへと饒舌しゃべり散らすうち
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大失策おおしくじりだったね。それでこそ静岡県人の名を辱めないというもんさ。しかし交通不便の時代にこんな大きなものを東京まで持っていったんだから、確信は豪いもんだ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
金兵衛さんなぞに言わせると、おれが半蔵に学問を勧めたのが大失策おおしくじりだ、学問は実に恐ろしいものだッて、そう言うんさ。でも、おれは自分で自分の学問の足りないことをよく知ってるからね。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「八千代さん、今日は大失策おおしくじりでしたよ。お米屋の娘さんの積りで上ったら、先さまは五百石の奥方さまでございましたの。夫れは/\えらい見識よ。町家と違いましてね……」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「お元気でも無理に智恵をおつけになっちゃいけませんよ。お隣りではチョチ/\アワヽで大失策おおしくじりを致しました。御主人と奥さんがお二人がかりでチョチ/\アワヽ、チョチ/\アワヽ」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「いや、大失策おおしくじりでした。ゴカイをつけっ放しにして置いたものですから」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「然う/\。相済みません。飛んだ粗相を申上げました。大失策おおしくじりです」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「寝られます。時に社長、王侯貴人ではこの間大失策おおしくじりをしましたよ」
社長秘書 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「こいつは大失策おおしくじりだ。根本的にいけないのかい?」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「何うも退きなりませんな。此奴は大失策おおしくじりだ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「いや、これは大失策おおしくじりでした。ハッハヽヽヽ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「ハッハヽヽ。これは大失策おおしくじりだ」
合縁奇縁 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
大失策おおしくじりだ」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)