夜通よどお)” の例文
九 菊池弥之助やのすけという老人は若きころ駄賃だちんを業とせり。笛の名人にて夜通よどおしに馬を追いて行く時などは、よく笛を吹きながら行きたり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
自分は夜通よどおし扇風器をかけてぶうぶう鳴らしたため、馬鹿な真似をして風邪かぜでもひいたらどうすると云って母から叱られた事さえあった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おじいさんはこわくって、こわくって、たまらないので、夜通よどおわずに、うろの中にちいさくなっておりました。
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
どんなにやかましゅう夜通よどおしやって居ても誰も何とも言う者がない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)