墨水ぼくすい)” の例文
お話が古くなっていけないというので墨水ぼくすい師匠などはなるたけ新しい処を伺うような訳ですが手前の処はやはりお古い処で御勘弁を願いますような訳で
煩悶 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
その応募者のうちに把栗はりつ墨水ぼくすい波静はせい梅龕ばいがん俎堂そどう等の名を見出した事。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
墨水ぼくすいの風月を愛してここにきょぼくした文雅の士はげるに堪えない。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ああ、師父しふか。師父はな、これより北のかた、二千八百里、この流沙河りゅうさが赤水せきすい墨水ぼくすいと落合うあたりに、いおりを結んでおられる。お前さんの道心どうしんさえ堅固なら、ずいぶんと、教訓おしえも垂れてくだされよう。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)