墓所はか)” の例文
「な、なに。御先祖の墓所はかへ行って割腹するつもりだと。いや、そのようなこと、わしの量見ひとつではゆるせぬ。——」迷いのうちにも、主殿は、あわててさえぎって
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は全然まるで砂漠さばくの中にでも居る様な寂寞せきばくに堪へないでせう、さうすると又た良心は私のはなはだ薄弱であることを責めるでせう、墓所はかまゐりましても、教会へ参りましても
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
と、寺の住持には告げて、やがて、三名は、大岡家代々の墓所はかへ行った。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)