塑像そざう)” の例文
もう六十を越して、一粒種の孫の喜太郎を杖とも柱とも頼んでゐた、老主人又兵衞の顏は『悲しみの塑像そざう』を見るやうに凄慘でした。
銭形平次捕物控:050 碁敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
いきほひつて、わたし夢中むちう駈上かけあがつて、懷中電燈くわいちうでんとうあかりりて、戸袋とぶくろたなから、觀世音くわんぜおん塑像そざう一體いつたい懷中くわいちうし、つくゑしたを、壁土かべつちなかさぐつて、なきちゝつてくれた
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)