地形じぎょう)” の例文
虫を抑えて、仕事へ癇癪かんしゃくをうちこんだのが、能率をあげた一因かもしれない。地形じぎょうはほぼすみ、底石をしき、鏡の入れてある石棺せっかんまでうずめこんだ。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
石垣が東側の地形じぎょうから土台まで六間五尺あって、北西の掘底から、土台までは十間あり、天守は土台下端したはから五重の棟上端うわはまで十七間四尺七寸五分あり
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おいおい境内になる土地の地形じぎょうの進んでいる最中、その若い貴人が、急に亡くなられた。そうなる筈の、風水の相が、「まろこ」の身を招き寄せたのだろう。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ヨウさんは地形じぎょうもまだ出来ぬうちから売立のあるごとにわたしを誘って入札の下見に出掛けた。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
人足たちの住む仮小舎かりごやを建て、灰焼場を建て、役所の建物を修繕したあとも、土入れと地形じぎょうは続けられたし、南の浜の崩れた石垣をき直すには、もっと暇がかかりそうであった。
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
(この家どこもかしこも米材なり)都市としての江戸の形成の過程と東京の変遷を考え、一種異様な感がします。昨今、王子に近い志村の町に工場がどっさり建つ。その地形じぎょうのために泥をナラす。
家の建たぬ前に、既に屋敷廻りの地形じぎょうが出来て、見た目にもさっぱりと、垣をとり廻して居る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
東側から地形じぎょうは棟の上端までは二十四間三尺二寸七分あるから、いくら米友の身が不死身に出来ているからといって、もともと生身なまみを持った人間のことだ、この高さから下へ落ちては
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
介三郎も、鍬をとって、塚のうえの地形じぎょうを手伝った。馴れない者の手伝いなどは、全体の仕事にはほとんど影響もないことは分っていたが、幾百年、草茫々ぼうぼううずもれていた忠臣の古墳にたいして
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地形じぎょうとのやりっぱなしですさみきっている。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
地形じぎょうは早できたかな」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)