土杯かわらけ)” の例文
次男三左衛門輝政をそばにおいて、いま土杯かわらけの祝い酒を酌みかわし、父子共に、よろい姿を、床几しょうぎせて、出門の時刻を待っていた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
狩衣かりぎぬの者は、狩衣を火に乾かし、具足の者は、具足を解いて、土杯かわらけを、飲みまわすもあり、かてを食べはじめているのもある。
菖蒲あやめの花をけ、冠台かんむりだいに、造花のついたかずら冠をせて——せっかく菖蒲酒しょうぶざけをともに祝おうと、土杯かわらけまでそろえたのに、召使を見せにやれば、さっきから、泰子やすことふたりで、長ながと
寧子ねねは、神酒みき土杯かわらけと、勝栗勝こんぶとを乗せた三宝をそろえて出した。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)