唐瓜たうなす)” の例文
むね茅葺かやぶき屋根と一つの小さい白壁造の土蔵とがあつて、其後にはけやきの十年ほどつたまばらな林、その周囲には、蕎麦そばや、胡瓜きうり唐瓜たうなすや、玉蜀黍たうもろこしなどを植ゑた畠、なほ近づくと
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
父なる人は折しものこぎりや、鎌や、唐瓜たうなすや、糸屑などの無茶苦茶にちらばつて居る縁側に後向に坐つて、頻りに野菜の種を選分えりわけて居るが、自分を見るや、兼ねて子息むすこからうはさに聞いて居つた身の
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)