まいる)” の例文
停車場まで六まいるもあると云うのに、馬一頭飼ってないと云うのは、一たいどう云う家政なのだろうね? ワトソン君、これはおかしいよ。
君! 軌道と軌道の接続点つなぎめにおおよそ二分ばかりの間隙すきがあるだろう、この間下壇したの待合室で、あの工夫のかしらに聞いたら一まいるにあれがおよそ五十ばかりあるとね
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
村里から馬の背をかりて七まいるも登つた山奥の森林地帯で、谿流の傍らに営まれてゐる伐木工場である。
「メキネズさんはここにはいないよ。ここから六まいるほどはなれているサラヂーロというところだ。」
一着は水中の津川五郎子で、一まいるの時間十五分十二秒、二着は髯将軍、三着は羅漢将軍、四着は走れそうもない木川子が泳ぐようにして辿たどり着いたという事で、吾輩はビリの到着。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
いや 月には十まいる以上いじやうのものはあまりない しかし火星の運河はみな大きいのぢや
栗梅色くりうめいろった真新まあたらしい箱馬車式はこばしゃしきの立派なものだ。米国から一昨日着いたばかり、全速ぜんそく五十まいる、六千円出たそうだ。父、母、姉、妻、女は硝子戸がらすどの内に、余は運転手うんてんしゅと並んで運転手台に腰かけた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
釧路くしろ百十九まいる
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
殊にあの一方は、チャーリントンの荒地で、その一方はチャーリントンの廃院を包む森の間の、一まいるばかりの間と云うものは、とても寂しいのでございますの。
よし、かくなる上は今市日光間の四まいるを汽車で行こうということになった。
「まあ可愛そうに、ここから四五百まいるはなれていますよ。」
「今三十五まいるの速力です」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
長さはひやく五十まいるぢや
それで私はすぐに引き返して、その角から後の方を見ましたら、そこからは一まいるくらいの間は、見通しが出来るのでしたが、もうその男の姿は見えませんでした。
「かわいそうに。コルドバはここから何百まいるもある。」
釧路百十九まいる
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その船はつい二三年ぜん、オポルトウの北方数まいるのポルトガルの沖合いで沈んでしまった。——それから例の案内係のボーイは、証拠不充分と云うので放免された。
入院患者 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
それから僕は遁走を続け、暗夜の中を十まいるの山路を突破し、一週間の後には僕はフローレンスに現われたのだ。もちろん現世の人間と云う人間は、僕の行方などを知るはずはなかったのだが、——
ホームズは一語も発せず、馬車に大急ぎで乗り、それから七まいる以上の道のりを、全く黙し切ったままであった。私は実際この時ほど、ホームズが落胆している様子を、そうたびたび見たことはない。
「今ちょうど速力は一時間五十三まいる半だ」