咲重さきかさな)” の例文
石磈道いしころみちを向うへ切って、おうちの花が咲重さきかさなりつつ、屋根ぐるみ引傾ひっかたむいた、日陰の小屋へくぐるように入った、が、今度は経肩衣を引脱ひきぬいで、小脇に絞って取って返した。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立って追おうとすると、岩に牡丹ぼたん咲重さきかさなって、白きぞうおおいなるかしらの如きいただきへ、雲にるようと立った時、一度その鮮明あざやかまゆが見えたが、月に風なき野となんぬ。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)