“咲重”の読み方と例文
読み方割合
さきかさな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
石磈道いしころみちを向うへ切って、おうちの花が咲重さきかさなりつつ、屋根ぐるみ引傾ひっかたむいた、日陰の小屋へくぐるように入った、が、今度は経肩衣を引脱ひきぬいで、小脇に絞って取って返した。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立って追おうとすると、岩に牡丹ぼたん咲重さきかさなって、白きぞうおおいなるかしらの如きいただきへ、雲にるようと立った時、一度その鮮明あざやかまゆが見えたが、月に風なき野となんぬ。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)