卦面けめん)” の例文
愚老は卦面けめんに現われたところによりて、聖人の道を人間にお伝え申すのが務め、当ると当らぬとは愚老のとがではござらぬでな……
「先生。もし卦面けめんの告げがわたくしの運命だとしたら、何とか、その凶運を避ける術はないものでしょうか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地泰天じたいてん卦面けめんを上部に描き、周易活断、績善堂、加藤左伝次と記されてあった。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さて卦面けめんに現われたるは、かくの通り『風天小畜ふうてんしょうちく』とござる、卦辞かじには『密雲雨ふらず我れ西郊さいこうよりす』
べつに天下の地を相し大城を築いて住もう。——易経えききょうにもいう、卦面けめんに非ず解心げしんにありと。いずれにしても、またなき吉日。明日こそ待たれる。さあ、出ようか
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取合わないがよろしいと、お銀様も思案をきめまして、そのまま、また卦面けめんに眼を落していると
、ひとかどの人物とた。しかるに、なんとも神易の告げはよろしくない。もし、お気を悪くなさらぬなら、あるがまま、卦面けめんの告げるところを、歯にきぬきせず、おはなししようが
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この眼易の眼力で、グイと卦面けめんをにらんでみると、あなたが大阪へ来たがった原因は、死ぬほど会いたいと思っている人間がどこかにいるに違えねえ。え、どうでしょう、この判断は?
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼のつくえの上には、いまたてた易占うらない算木さんぎが、吉か凶か、卦面けめん変爻へんこうを示していた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ゆうべ、なにげなくれいの亀卜きぼくえきをこころみたところが、どうもはなはだおもしろくない卦面けめんのしらせじゃ。そこでにわかに思い立って、きょうぶらりとやってきたが、はたしてこのさわぎ……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いいや、そうもいえませぬて。つらつら卦面けめんによって判じますに、こりゃその人が婦女の術中にちて苦しまれている。甘泉の美毒に酔死するか、吉に変って渦中からのがれ得るかという境目じゃ。しかもそれは今宵を
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卦面けめんはなんと出ましたな」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)