北麓ほくろく)” の例文
これによると、最後の氷河期の氷河が崑崙こんろん北麓ほくろくに押し出して来て今のコータンの近くに堆石たいせきの帯を作っている。
ロプ・ノールその他 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
日本にも『東鑑』に、俣野景久、橘遠茂の軍勢を相具し甲斐源氏をたんと富士北麓ほくろくに宿った夜、その兵の弓絃を鼠に噛み尽くされついに敗軍したとあり。
第×師団第×聯隊の白襷隊しろだすきたいは、松樹山しょうじゅざん補備砲台ほびほうだいを奪取するために、九十三高地くじゅうさんこうち北麓ほくろくを出発した。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
富士山北麓ほくろくの『甲斐かい妙法寺記』、下総しもうさ香取神宮かとりじんぐうの『録司代家文書ろくじだいけもんじょ』、その他飛び飛びに発見せられた数箇所の例は、いずれも書札しょさつ作成の日附として記入せられたものであった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「一路、青州街道からここの北麓ほくろくの下へ近づくらしい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)