いさお)” の例文
旧字:
「其方は、早くから予に仕えておる辛毘しんびの兄ではないか。予の陣中に留まって、弟と共にいさおしを立て、将来、大いに家名をあげたらどうだ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、お前は勇敢な、冒険好きの若者だから、きっとそれを、お前がいさおをたてるための願ってもない機会にめぐり合ったものとして、仕合せに思ってくれるだろう。
綾麻呂 いさお高き武人もののふの家系、臣、石ノ上ノ綾麻呂から五位の位を奪いとった我等が仇敵きゅうてきは?
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
見ずや、曹操のごときは、累代の君家に、何のいさおだになく、しかも常に帝を害し奉らん機会ばかりうかがっていることを。家門高ければ高きほど、その罪は深大ではないか。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ごらん下さい、この和子の身支度を。すぐここより父孝高のいる播磨はりまの陣へ参って、父に劣らぬいさおを立てて、華々はなばなと生死の関頭かんとうに、将来の命数をまかせる覚悟にござりまする」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「北国の士民も、これからは、いささか業を楽しめるであろう。その方たちの働きを、大きないさおといわねばならぬ。さらに、又左衛門利家を親柱おやばしらとなし、以後の安泰あんたいを守られよ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)