労働ろうどう)” の例文
旧字:勞働
この新しい生活はなかなかわたしには苦しかったが、しかしこれまでの浮浪人ふろうにんの生活とても似つかない労働ろうどうの生活が案外あんがい早くからだにれた。
過度かど労働ろうどうでみんな神経衰弱しんけいすいじゃくにかかっているのではないかといううたがいをこしていました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
背中せなかにはあせにぬれたシャツを着、両手に如露じょろを持って、ぬかるみの道の中を、素足すあしで歩かなければならなかった。でもぐるりのほかの人たちも、同じようにあらっぽい労働ろうどうをしていた。
いつもわらない、わりのない労働ろうどうがつづいているばかりなのさ。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひどい労働ろうどうをする坑夫こうふは、でもこごと一つ言わずに、このお軽少な夕食を食べていた。かれはなによりも平和をこのむ、ことなかれ主義しゅぎの男であった。かれはけっしてこごとを言わなかった。