おび)” の例文
一人はせた老人で、それは浮出た松の根に腰をかけておりました。一人は物におびえるようなおどおどした眼つきをしたわかい男で、それはすなの上に腰をおろして、両足を投げ出しておりました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
図太づぶとくて、いらひどくて、人をあやめることを何とも思はないで、公にそむくことを心持が好い位に心得て、やゝもすれば上には反抗して強がり、下には弱みに付入つておびやかし、租税もくすねれば
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)