利方ききかた)” の例文
上品ではあツたが、口の利方ききかたせた方で、何んでもツベコベと僥舌しやべツたけれども、調子の好かツたせいか、ひとに嫌はれるやうなことはなかった。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あの禿はげあがったような貧相らしいえりから、いつも耳までかかっている尨犬むくいぬのような髪毛かみのけや赤い目、のろくさい口の利方ききかたや、卑しげな奴隷根性などが、一緒に育って来た男であるだけに
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「何だ、人間の口の利方ききかただ?……ほい、じゃ、ありゃ此処等ここらの稲荷様か。」
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)