切諫せっかん)” の例文
切諫せっかんを重ねたうえで、ようやく承知をなすったのだ、これも甲斐は知っているだろう、父上はおれを憎んでいた、憎まぬとしてもうとんじておられた。
それを押し退けて横車をひき出そうとする無理非道の父に対して、女の口から更に切諫せっかんを試みようとするのであるから、並大抵のことではむずかしい。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼の友人、彼の同情者、彼の後援者は、こぞってこの無謀なる事業に反対し、彼がせっかくの人気をば一朝にして失墜せんことをおそれ、ぜひに沈黙を守らんことを切諫せっかんした。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
「これほど意見しても肯かぬ気性の其方そちく/\は親の首へ縄を掛けるに相違ない、長生ながいきして死恥しにはじを掻こうよりいっそのこと食事を絶って死ぬに越したことはない」と涙を流しての切諫せっかん
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
第百四十三回 大谷、井上、藤井三師の切諫せっかん
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)