冊子さつし)” の例文
旧字:册子
すなはち文化の一具を欠くものと謂可いふべし。(中略)余ここに感ずる所あり。寸暇すんかを得るの際、米仏とうの書をひもとき、その要領を纂訳へんやくしたるもの、此冊子さつしを成す。よつて之を各国演劇史となづ
本の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
こたびは途に上りしとき、日記にきものせむとて買ひし冊子さつしもまだ白紙のまゝなるは、独逸ドイツにて物学びせしに、一種の「ニル、アドミラリイ」の気象をや養ひ得たりけむ、あらず、これには別に故あり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)