内藤ないとう)” の例文
ふりかえると、なかよしの内藤ないとうが、せなかのランドセルをバタンバタンいわせながら走ってくる。高木たかぎはわらいながら立ちどまって
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
きっと行けると思う人はと云ったら内藤ないとう君や四人だけ手をあげた。みんな町の人たちだ。うちではやってくれるだろうか。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
白砂青松はくしゃせいしょうの東海道の空にかかったとき、竹童がふと見おろすと、たしかに徳川勢とくがわぜい亀井かめい内藤ないとう高力こうりきなんどの武者らしい軍兵ぐんぴょう三千あまり、旗幟堂々きしどうどう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三面谷は越後の村上むらかみ領では有るのだけれど、又米沢からの支配をも受けているので、内藤ないとう家からも飯米を与えるが、上杉家からも毎年二十俵を、雪が積って初めて道が出来るのを待って
壁の眼の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
ノッポは光吉こうきちのあだ名だった。かれは成績せいせきも級一番だが、体格たいかくもだんぜんずばぬけていた。ちびの内藤ないとうなぞは、かれのかたくらいしかない。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
すると農場の方から花のかかりの内藤ないとう先生が来たら武田先生は大へんあわててポケットへしまっておきたまえ、と云った。ぼくはへんな気がしたけれども仕方しかたなくポケットへ入れた。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
天子てんしたけのふもとから、南すそのへかけて、まんまんと陣取ったるが本陣と思われまする。オオ、しかも、その旗印はたじるしは、徳川方とくがわがた譜代ふだい天野あまの内藤ないとう加賀爪かがづめ亀井かめい高力こうりきなどの面々
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
光吉こうきち内藤ないとうもその中にいた。午前は終業式しゅうぎょうしき通信簿つうしんぼをいただき、午後あらためて、新年拝賀式はいがしき式場しきじょう準備じゅんびのお手つだいにいった帰りなのだ。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)