八九通はつくつう)” の例文
目元めもと宿やどれるつゆもなく、おもりたる決心けつしんいろもなく、微笑びせうおもてもふるへで、一通いつゝう二通につう八九通はつくつうのこりなく寸斷すんだんをはりて、さかんにもえ炭火すみびなか打込うちこみつ打込うちこみつ
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
目の前に散乱ちりみだれたるふみをあげて、「やよ殿、今ぞ別れまいらするなり」とて、目元に宿れる露もなく、思ひ切りたる決心の色もなく、微笑のおもてに手もふるへで、一通いつゝう二通につう八九通はつくつう
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)