先駆さきが)” の例文
旧字:先驅
吾輩皆に先駆さきがけて死んで見せたら観感して起るものあらん。それがなきほどでは、なんぼう時をまちたりとて時は来ぬなり。
「——先駆さきがけてしゃ二無二、天王山にお味方の旗を立てた者こそ平野の一番首よりも、戦功第一のほまれたらん」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天下とう一の先駆さきがけにあせって、たたかって勝つという信条しんじょうもとには、どんな犠牲ぎせいしまない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あわてきった十兵衛じゅうべえ指図さしず熊蔵くまぞう叱咤しったが、若侍わかざむらいたちの先駆さきがけをあおッた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徳川家とくがわけあだなすやつ、やがて、あとからいく伊那丸いなまる先駆さきがけをしろッ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝がたには、宇都宮公綱の先駆さきがけを、なすがままさせておいて、それみたかと心ではやしていた者どもなのだ。そのてまえもあり、大きくは鎌倉の急令、全軍の猛気は、きのうまでの比でなかった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)