ゆたか)” の例文
渋江氏ではこの年感応寺かんのうじにおいて抽斎のために法要を営んだ。五百、保、矢島ゆたかくが、水木、比良野貞固さだかた、飯田良政よしまさらが来会した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この時保と脩とは再び東京にあって母の膝下しっかに侍することを得たが、独り矢島ゆたかのみは母の到著するを待つことが出来ずに北海道へ旅立った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
矢島優善やすよしの名をゆたかと改めたのもこの年である。山田専六の名をおさむと改めたのは、別に記載の徴すべきものはないが、やや後の事であったらしい。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
後者に署してある名の飛蝶は、抽齋の次男優善やすよし後のゆたか寄席よせに出た頃看板に書かせた藝名である。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)