健脚けんきゃく)” の例文
足の弱いやつなんぞ相手にしていられるもんかと、自分の健脚けんきゃくまかせてさっさと友をりにして行ってしまいそうに思われる。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
このときようやく、お嬢さん方の中で、一等健脚けんきゃくな一団が、私たちの視界の中までのぼってきた。
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
親仁おやじ差心得さしこころえたものと見える、このきっかけに手綱たづなを引いたから、馬はすたすたと健脚けんきゃく山路やまじに上げた、しゃん、しゃん、しゃん、しゃんしゃん、しゃんしゃん、——見るに眼界を遠ざかる。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)