停留所ていりゅうじょ)” の例文
博士はくしの家は町をみおろす、おかのうえに建っている。そこからは、丘のふもとの『ぎんねこ』酒場さかばや、バスの停留所ていりゅうじょが、ひと目でみることができた。
K町のバスの停留所ていりゅうじょには、この早いのにもう用たしをすましてきた客が二人、くだりバスをまっていた。六十を二つ三つすぎたらしく見えるおじいさんと、三十前後の女客と。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
ゴウ、ガタン、ゴウ、ガタンといって、電車でんしゃはしっていました。ある停留所ていりゅうじょで、ちょっととまるとみすぼらしい、こしがったおじいさんが、つえをついて、電車でんしゃにのりました。
一銭銅貨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
丘のふもとのバスの停留所ていりゅうじょのすぐ前の酒場さかばぎんねこ』では、さっきからまるまるとふとったおやじが、むちゆうになって、ひとりのきゃくをあいてに、さかんに、競馬けいばの話をまくしたてていた。
春は目の前にきていながらめずらしく雪のる中を、ひとバスおくれた大石先生は、学校前の停留所ていりゅうじょからかさもささずに走って、職員室にとびこんだとたん、異様いよう室内しつないの空気に思わず立ちどまり
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)