侠氣をとこぎ)” の例文
新字:侠気
取此所を立出て島田宿なる水田屋藤八方へ到り豫て侠氣をとこぎの事を聞及べば是迄の始末を語り當分我等兩人をかくまひ呉る樣にと只管ひたすらたのみけるに男を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その叔母さんが此處へやつて來て、——八五郎は人間は甘いやうだが、あれでなか/\侠氣をとこぎがありますよ。
侠氣をとこぎを以て小間物屋彦三郎に助力じよりきいたし、まことの罪人を訴へ出でたる段、近ごろ奇特に存ずるといふので、いづれ改めてお呼び出しの上、お奉行樣から直々のお褒めがある筈だぞ。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
何故疑ひて金子などお預り申べきや其儀は御無用ごむようなりと云にぞ忠八は亭主が侠氣をとこぎに感じて懷中より金百疋取出し是は餘りに輕少けいせうなれども此印籠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お六といふのは、摺れつ枯らしと純情と、侠氣をとこぎ自墮落じだらくを兼ね備へたやうな、この社會によくある型の女、不きりやうではあるが、八五郎が強調したほどみにくくはありません。
物語ものがたれば友次郎夫婦はなげきの中にも印籠の再び手に入しことを喜び且龜屋の亭主の侠氣をとこぎなるをかんじ其の夜はつもる物語に夜をふか翌日よくじつに成て此家の亭主を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「その代り、神田一番の結構な年増が、飛んだ侠氣をとこぎな、良い女とわかつたぢやないか」