依怙贔負えこひいき)” の例文
水流つるさんや、おえもよっぽど用心しねえとあぶねえぞ。丸十の繁から俺は聴いたんだが、お前えは飛んだ依怙贔負えこひいきの仕事を
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
すると清はすましたものでお兄様あにいさまはお父様とうさまが買ってお上げなさるから構いませんと云う。これは不公平である。おやじは頑固がんこだけれども、そんな依怙贔負えこひいきはせぬ男だ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「どうだえ、博勞ばくらううまくてたんべ、どつちも依怙贔負えこひいきなしつちとこだ」相手あひて得意とくいつてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
たとえば学生の事にしても教場で教師の前へ出ると先生先生と尊重しているが寄宿舎へ帰ると教師の事を、彼奴あいつ依怙贔負えこひいきばかりしてしようがないなぞと彼奴呼あいつよばわりをする人がある
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)