何店どこ)” の例文
まだ二三年前の東京お目見えなので、何処どこの佃煮屋漬物店にもとは普及していないが、百貨店デパートへの卸元が同一の為めか、何店どこにもあるようだ。
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
門の下で、うしろを振返って見た時は、何店どこへか寄ったか、わきれたか。仲見世の人通りは雨のおぼろに、ちらほらとより無かったのに、女の姿は見えなかった。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
支配人の考へでは、その缶は何店どこで買つたものか知らないが、客がそれを戻さうとする時には、ペンキ屋といへば、直ぐ今の店が代表的に頭に浮んで来たのでそこへ持ち込んだに過ぎなかつた。
何店どこで買ったの?」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その新看板に、よせばよいのに、何の足しにもならないが、不思議に何店どこでもやっている通り、羅馬綴りでSAKACHITAと、店名が入れてある。
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
「素晴しい色彩いろぢやないか、一体何店どこで掘出して来たんだね。」