人喰ひとく)” の例文
そして始末が悪いことには、うっかりその上を歩きかけると、人喰ひとくい沼のように何処どこまでもずぶずぶと体がまれて行くのである。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「すばらしい発見だ。和島丸の船員が、このボルク号の中にいた。人喰ひとくじゅうは、もう全部やっつけた!」
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
白粉おしろいべつたりとつけてくちびる人喰ひとくいぬごとく、かくてはべにやらしきものなり、おりきばれたるは中肉ちうにく背恰好せいかつかうすらりつとしてあらがみ大嶋田おほしまだしんわらのさわやかさ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)