交迭こうてつ)” の例文
「まず——吾々の第一の目的は貫徹した。座主ざす交迭こうてつは行われた」壇上の法師は、拳をふり上げて熱弁をふるう。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり、お雪が入って来たために、酒と蕎麦饅頭とが炬燵の上で交迭こうてつした結果になりました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
せっかく続けている観測も上長官が交迭こうてつして運悪く沿革も何も考えぬような後任者が来ると、こんな事やっても何にもならんじゃないかの一言で中止になるという恐れがあった。
新春偶語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
空はくもって雨が降ったりんだりしていた。抽斎はこの日観劇に往った。周茂叔連しゅうもしゅくれんにも逐次に人の交迭こうてつがあって、豊芥子ほうかいしや抽斎が今は最年長者として推されていたことであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この記事には弘庵が逮捕の日を十月八日夜となしているが、内藤恥叟ないとうちそうの『開国起源安政紀事』には十月四日としてある。按ずるにこの時はあたかも南の町奉行の交迭こうてつした時である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)