云事いうこと)” の例文
身持みもちのよい者に運の実がなる程理にかなった幸福と無上に有難がりうれしがり、一も二もなく田原の云事いうこと承知して
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まあ、生きていると云事いうことは、どんなに美しい事だろう。それに自分の生活の内容は、全くこの男の事でうずめられているのである。無くするかと思ったこの人を取り返した。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
殊更最前さいぜんも云うた通りぞっこん善女ぜんにょと感じて居る御前おまえ憂目うきめ余所よそにするは一寸の虫にも五分の意地が承知せぬ、御前の云わぬ訳も先後あとさきを考えて大方は分って居るからかくも私の云事いうことついたがよい
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)