主命しゅめい)” の例文
というまくかげの答え。主命しゅめいによって、いまそこへ、ひかえたばかりの福島市松ふくしまいちまつ、一鎧櫃よろいびつをもって、秀吉と伊那丸いなまるの中央にすえた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日頃田崎と仲のよくない御飯焚ごはんたきのおえつは、田舎出の迷信家で、顔の色を変えてまで、お狐さまを殺すはおいえめに不吉である事を説き、田崎は主命しゅめいの尊さ
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
かれは徳川家の伊賀衆隠密組いがしゅうおんみつぐみ組頭くみがしらで、かつて富士ふじ人穴城ひとあなじょうへ、じぶんが主命しゅめいでようすをさぐりにいったとき、はじめてその名を知った男だ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主命しゅめいである。主君の行動だ。いささかの自我もここではゆるされない。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)