並木道なみきみち)” の例文
公園の並木道なみきみちにはいると、書記はふとお友だちの、若い詩人にであいました。詩人は、あしたから旅にでかけるところだと話しました。
空からは、静かな冷気が下りてきて、野菜ばたけからは、茴香ういきょうかおりが漂ってきた。わたしは、何本かの並木道なみきみちをすっかり歩いてしまった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
大ぜいの人たちが並木道なみきみちをこっちへやってくるではありませんか。ニールスは、あわてて、アーチのそばにあった水桶みずおけのうしろにかくれました。
するうちふと、ながい並木道なみきみちのはるかむこうに、ぽつんとひとつ、火あかりがみえました。
つごうのいい場所はけっして少なくはなかったが、とりわけ植物園の近傍きんぼう(近所)のきれいな芝生しばふには、大きな樹木じゅもくが気持ちのいいかげを作っていて、そこへ広い並木道なみきみちがほうぼうから集まっていた。
全く杉の列はどこを通っても並木道なみきみちのようでした。
虔十公園林 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
とホームズは、暗い並木道なみきみちりながら云った。
黄色な顔 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
ニールスがそのはねをたよりにあとをつけていきますと、やがて森をぬけ、はたけを二つばかり横ぎって、道路どうろにでました。それからは、広い並木道なみきみちです。
そこで、からすとゲルダとは、お庭をぬけて、木の葉があとからあとからと、ちってくる並木道なみきみちを通りました。
ある日、わたしは並木道なみきみちを歩いていると、ひょっくりルーシンにぶつかったので、とびあがるほどうれしかった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
ニールスは、思いきって、ひろびろとした並木道なみきみちを走っていく勇気ゆうきはありませんでした。それで、べつの道をいくことにきめました。庭を通って、裏庭うらにわに出ました。
長い並木道なみきみちをとおって、さびしい通をいくつかぬけて、お寺の墓地へでていきました。
わたしはやはり庭へ出て行って——並木道なみきみちという並木道をむなしく歩き回ったあげく(鴉はわたしをちゃんと知っていて、ただ遠くの方できれぎれに鳴くばかりだった)、ふと低い垣根かきねに近づいた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
やがて、並木道なみきみちで、男の子はほかのふたりのこどもに出あいました。身分をいう人間の社会では、いい所のこどもというのですが、学校では精紳がものをいうので、ごく下の級に入れられていました。