下水げすゐ)” の例文
第四は本所深川日本橋京橋きやうばし下谷浅草あさくさとう市中繁華の町に通ずる純然たる運河、第五は芝の桜川さくらがは、根津の藍染川あゐそめがは、麻布の古川ふるかは、下谷の忍川しのぶがはの如き其の名のみ美しき溝渠こうきよ、もしくは下水げすゐ
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
が、僕はつい近頃やはり当時から在職してゐたT先生にお目にかかり、女生徒に裁縫さいほうを教へてゐた或女の先生も下水げすゐに近い京極きやうごく子爵家(?)のどぶの中に死んだことを知つたりした。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
下水げすゐからは下水の水があふれてゐる、芥箱には芥が充滿いつぱいになつている。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
たてに積みかさねるよりは、上水じょうすゐ下水げすゐでも改良するが好からう
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そこここの下水げすゐよりなやみしみたり
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
僕「『下水げすゐ』もやつぱり変つてしまひましたよ。」
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)