三題噺さんだいばなし)” の例文
材料はいつも三題噺さんだいばなしのようになる。重ね草履と張子の虎とお浪の駈け落ちと、この三つの材料をつなぎあわせて、半七はしばらく考えていた。
半七捕物帳:31 張子の虎 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
とき蕎麥そばへば——ていと——なし。——なんだか三題噺さんだいばなしのやうだが、姑忘聽之しばらくわすれてきけていふのは、かつて(いまうだらう。)なしべるとふとふ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(無電装置と放射線計数管と浚渫機しゅんせつきとを備えている靴——とは、妙な靴があったものだ。一体この三題噺さんだいばなしみたいなものをどう解くべきであろうか)
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかしそのために五目飯や三題噺さんだいばなしのようなことにはならず、渾然こんぜんとして一体になっているのが、この句の手際であろう。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
「……『馬の尻尾』に『呉絽帯に織出した都鳥』……それに、『比丘尼の身投げ』で三題噺さんだいばなしにならねえか」
顎十郎捕物帳:03 都鳥 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)