万福寺まんぷくじ)” の例文
時には宇治うじまでも行って、万福寺まんぷくじの墓地にある碑文を写して来たりなどもしました。帰京後にも、伝記に関しては、いろいろかげの補助をして上げておりました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
わしも是れから帰り掛けにちょっくら顔を出さねえばなんねえが、此の瑞穂野村みずほのむらてえ処に万福寺まんぷくじと云うお寺があるんだ、其処にもと九段坂上に居た久留島修理くるしましゅりさまてえ方が田地を買って
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
木曾谷の西のはずれに初めて馬籠の村を開拓したのも、相州三浦そうしゅうみうらの方から移って来た青山監物けんもつの第二子であった。ここに一宇を建立こんりゅうして、万福寺まんぷくじと名づけたのも、これまた同じ人であった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこから余り遠くない等々力とどろき村の万福寺まんぷくじという寺にも、親鸞しんらん上人の御箸杉という大木が二本あって、それ故に、また杉の御坊とも呼んでおりましたが、二百年以上も前の火事に、その一本は焼け
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)