一臠いちれん)” の例文
何十年来シベリヤの空をにらんで悶々もんもん鬱勃うつぼつした磊塊らいかいを小説に托して洩らそうとはしないで、家常茶飯的の平凡な人情の紛糾に人生の一臠いちれんを探して描き出そうとしている。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
私は広く四方八方の世人せじんに向こうて、まあうそと思って一度味わってみてください、と絶叫ぜっきょうしたい。私はけっして嘘言きょげんかない。どうかまずその肉の一臠いちれんめてみてください。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
どうかまずその肉の一臠いちれんめて見て下さい。