一巡ひとめぐり)” の例文
彼はそこの、むしろの座席で田舎の兄さんのすねや、娘さんのお尻にもまれながら、窮屈な思いをして、曲馬と軽業を一巡ひとめぐり見物した。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
……灰色はひいろ禿げた古鼠ふるねずみが、八九疋はつくひき小鼠こねずみをちよろ/\とれてて、日比谷ひびや一散歩ひとさんぽつたつらで、をけぐらゐに、ぐるりと一巡ひとめぐり二三度にさんどして、すましてまたえんしたはひつてく。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
歳末の飾り美々びびしい銀座街の夜を一巡ひとめぐり歩いて
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)