一尾いちび)” の例文
剣幕けんまくに驚きまどひて予もあわたゞしく逃出にげいだし、れば犬は何やらむ口にくはへて躍り狂ふ、こは怪し口に銜へたるは一尾いちびうをなり、そも何ぞと見むと欲して近寄れば、獲物えものを奪ふとや思ひけむ
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
糸の先には山目やまめ一尾いちび溌溂はつらつと銀のようにおどっていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)