“いちび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
市日66.7%
一尾16.7%
一臂16.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
料理屋に三味線の音が夜更けまで聞こえ、市日いちびには呉服屋唐物屋の店に赤い蹴出けだしの娘をつれた百姓なども見えた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
毎月一と五の日はA町の市日いちびで、近郷から種々の産物を売りに来たり買ひに来たりするので非常に賑かである。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
素戔嗚はすぐに糸を上げた。糸の先には山目やまめ一尾いちび溌溂はつらつと銀のようにおどっていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
剣幕けんまくに驚きまどひて予もあわたゞしく逃出にげいだし、れば犬は何やらむ口にくはへて躍り狂ふ、こは怪し口に銜へたるは一尾いちびうをなり、そも何ぞと見むと欲して近寄れば、獲物えものを奪ふとや思ひけむ、犬は逸散いつさん逃去にげさりぬ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
私も人々の間にまじって一臂いちびの力をふるい一人の悪漢をじあげましたが、よく見るとそれは皮肉にも竹内だったのです。
暗夜の格闘 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
彼は——高天原の国に未練のなかった彼は、それらの民に一臂いちびの労を借してやった事はあっても、それらの民の一人となって、老いようと思った事は一度もなかった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)