“ヴエール”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
面紗44.4%
面帕22.2%
11.1%
面被11.1%
顏覆ひ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
顔は奈何どうでも構はぬが、十八歳で姿の好い女、曙色あけぼのいろか浅緑の簡単な洋服を着て、面紗ヴエールをかけて、音のしない様に綿を厚く入れた足袋を穿いて、始終無言でなければならぬ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
凡ての物が面帕ヴエールすかして、遠く小くなり、感覧があるのか、ないのか解らぬほど鈍くなり、恍惚として、夢ともなくうつゝともなく、寝てしまつたが、ちらりと光つた青色の水の姿で、目が冴えて
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
……プレジデント・フーヴアの楽長シェフ・ドルケストルが、あっけにとられて、ヴエールを持ったままあんぐりと口をあいていましたっけね……
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
此二人の面被ヴエールが剥がされた時、二人の女が十字架の上で叫び声を挙げ、そしてその一人は其場に気絶をした儘息を引き取つた。それは君香であつた。
顏覆ひヴエールは落ちて、彼の峻嚴と專制主義が現はれた。彼が、かうした性格の持主であると悟つた私は、彼の不完全を感じて、勇氣を得た。