面帕ヴエール)” の例文
蜜蜂を扱ふのに面帕ヴエールが要るやうだつたら、女をあしらふにはそれを二枚重ねなければならぬ。臆病者に限つて剣は長いのを持つてる世の中だから。
凡ての物が面帕ヴエールすかして、遠く小くなり、感覧があるのか、ないのか解らぬほど鈍くなり、恍惚として、夢ともなくうつゝともなく、寝てしまつたが、ちらりと光つた青色の水の姿で、目が冴えて
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
そして蜂にされない用意だといつて、細君が着古した面帕ヴエールをすぽりと頭からかぶつてゐたが、蜂には螫されない代りに、とうと細君に螫されてしまつた。
女房だから丸髷を、近眼ちかめだから眼鏡を、風が吹くから面帕ヴエールかぶつてゐるのに仔細しさいは無いが、何故また履を穿いてゐなければならないのか、その理由が解らない。