“ろうく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
老躯85.7%
労苦14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八重の桜も散りそむる春の末より牡丹ぼたんいまだ開かざる夏の初こそ、老躯ろうく杖をたよりに墓をさぐりに出づべき時節なれ。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そのとき、君長ひとこのかみの面前から下がって来た一人の宿禰すくねが、八尋殿やつひろでんを通って贄殿の方へ来た。彼は痼疾こしつの中風症に震える老躯ろうくを数人の使部しぶまもられて、若者の傍まで来ると立ち停った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
きのうまでの僕とは、ちがうのだ。自信をもっ邁進まいしんしよう。一日いちにち労苦ろうくは、一日いちにちにてれり。きょうは、なんだか、そんな気持だ。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
全文をひとつに貫いて至芸しげい労苦ろうくの結晶が脈々として生きて流れているのである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)