“もうろくずきん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
耄碌頭巾83.3%
耄碌頭布16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平次の差出した提灯に照らされたのは、ねんねこ半纏ばんてんを着て耄碌頭巾もうろくずきんを冠り、浅黄の股引ももひきをはいた老人姿ですが、顔を見るとまだほんの三十前後。——毛虫眉のあごの張った少し憎体にくていな男です。
銭形平次捕物控:126 辻斬 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
耄碌頭巾もうろくずきんに首をつつみてその上に雨をしのがん準備よういの竹の皮笠引きかぶり、鳶子合羽とんびがっぱに胴締めして手ごろの杖持ち、恐怖こわごわながら烈風強雨の中をけ抜けたる七蔵おやじ、ようやく十兵衛が家にいたれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
くすぶった、その癖、師走空に澄透すみとおって、蒼白あおじろい陰気なあかりの前を、ちらりちらりと冷たい魂が徜徉さまよう姿で、耄碌頭布もうろくずきんしわから、押立おったてた古服の襟許えりもとから、汚れた襟巻の襞襀ひだの中から、朦朧もうろうあらわれて
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)