“みうしな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見失90.0%
見喪10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
保名やすなはいつのにかきつね行方ゆくえ見失みうしなってしまって、心細こころぼそおもいながら、もりの中のみちをとぼとぼとあるいて行きました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おおぜいの人が通り道をふさいでつかまえようとしているのも見えた。わたしたちは牛を見失みうしなう気づかいはないと思ったので、すこし速力そくりょくをゆるめた。
よろけた足を踏みしめたときには、その風に押しこくられて幾らか方角がちがったような気がした。そう思って迷いだすと、今まで歩いていた彼らの前後左右が見喪みうしなわれた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
三十も半ばすぎの康子は、もう女学生の頃の明るい頭にはかえれなかったし、澄んだ魂というものは何時いつのまにか見喪みうしなわれていた。が、そのかわり何か今では不貞不貞ふてぶてしいものが身に備わっていた。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)