“ふりだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
降出66.7%
振出33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
食事をしたせいか燈火とうかのついたせいかあるいは雨戸を閉めたせいでもあるか書斎の薄寒さはかえって昼間よりもしのぎやすくなったような気がした。しかし雨はまたしても降出ふりだしたらしい。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
江戸にまいってから下谷したや練塀小路ねりべいこうじ大槻俊斎おおつきしゅんさい先生の塾に朋友があって、私はその時鉄砲洲てっぽうずに居たが、その朋友の処へ話にいって、夜になって練塀小路を出掛けて、和泉橋いずみばしの処に来ると雨が降出ふりだした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
餓鬼がきの折から手癖てくせが悪く……じゃあ大変だが、まあっとばかりペンペンを仕込まれたのが因果で、ず小田原を振出ふりだしに、東海道を股にかけという程でもございませんが
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
病者ばうざの心地や悪しからむ、振出ふりだしてふ薬飲ませばやと、常にくすりあはするかたに往くに、こはいかに棚落ちて箱どもの薬ちり/″\になり、百味箪笥といふものさへ倒れぬれば
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)