“はやりうた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
流行唄67.1%
流行歌21.2%
時花歌5.9%
時花唄3.5%
時花節1.2%
流行謡1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ションガイナは今のみなさんの「しょうが無いな」と同じ意味の言葉で、もう今から三百年もまえの流行唄はやりうたはやしの文句であった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その中にはどうやら人間が入っていたらしく、そいつが妙な流行歌はやりうたを歌ったのだね。それから、この間の三河島だ。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その方言乃至珍らしい物語や時花歌はやりうたを迎へるのに慣れて居ると云ふ事が、彼等の心を非常に romantique にし、且容易に妄誕を信ぜしむるに至る。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
〽高い山から——を踊ると鳴り物入らずの仕方たくさんで、阿蘭陀渡来の唐人踊りは〽さっさ唐でもよいわいな——と安政版の時花唄はやりうたを思わせる。
随筆 寄席風俗 (新字新仮名) / 正岡容(著)
散歩季節の夕月の美しい時分には、沢山の散歩者から自分をあきらかにするために、ハーモニカで時花節はやりうたなどを奏した。(ハーモニカにかけては、Y君は隊内随一の名手であった)
アンドロギュノスの裔 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
私は柏木のことばかり思続けました。流行謡はやりうたを唄って木綿機もめんばたを織っている時、旅商人たびあきんどおさを賞めて通ったことを憶出おもいだしました。岡の畠へ通う道々妹と一緒に摘んだ野苺のいちごの黄な実を憶出しました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)